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犬と会話

【礒淵】

 実家に2頭のフレンチ・ブルドッグがいる。彼女らは結構な年寄りだ。
 彼女のほうは私が尋常小学校一年のころより共に暮らしてきた、今年13歳になろうかという老犬であり、もう片方の彼は私が中等科のころに我が家に来たものであり、今年9歳になる。
 ときどき母上より彼女らの写真が送られてくるが、そこで以前に会った時よりもますます白髪が増え、頬はこけ、目も白くなっていくのが分かる。一方で母は若返ったように見えるが、だいたい母の写る写真はぼやけていることを考慮せねばなるまい。 
 犬は人間とともに暮らしているけれど、何万年同じ生活を送ろうとも我々と彼らで体感する「時」のはやさはいっこうに縮まないだろう。これは猫にも言えることだ。
 
 犬の8歳は人間の80歳、と聞く。
 犬種により差はあるのだろうが、おおよそ合っていると思う。
 そもそも人間の尺度で犬の年齢を計ろうとすること自体が誤りなのだけれど、人間が分かりやすいようでなければ意味がないというのもまた事実である。
 犬をはじめ猫、鳥、動物一般は年齢なんぞ気にしていなければ月日も気にかけてはおらず、盆もなければ正月もない、誕生日も人間が勝手に祝っているだけで本来関係のないことだ。彼らは瞬間を生きている。今生きていることが重要なのであり、そういった考えの点で、過去に捕らわれ未来に辟易する我々よりもある種達観しているといえる。

 犬と人間では、喋ることはできない。
 しかしコミュニケーションをとることはできる。
 それは食事呉れ、だったり散歩連れてけ、だったり一吠えに文脈を潜ませて語られる意思であり、たしかにコミュニケーションが成り立っている。
 しかし、人間同士がするようなコミュニケーション、すなわち会話はできない。
 犬と会話できたらどんなに楽しいことだろうと思うが、実家の2頭には私の悪行や非行を目撃されており口外されては困るため、やっぱり喋らないほうが犬はかわいいな、と思うことにしておく。
 しかし、犬が病に伏したとき、人間が病であればどこがどういう風に痛いと言ってそこをさすってもらったり薬を処方できたりするが、犬にはそれができない。
 様子がおかしいから動物病院へ搬送し、医師に診断されるまでどのように苦しいのか痛いのかつらいのか家族は知ることができない。知ったところでどうしようもないのだけれど、さすってやることもできない。
 人間は苦しみを泣きわめいたり呟くことで多少緩和することができるが、犬にはそれができない。
 私が知らないだけでもしかして彼らなりに対処しているのかもしれないが(そうであってほしいが)、人間の目に映るのは横臥にて浅い呼吸をし、舌を力なく垂れ、涎で首がかぶれ、涙を無言のうちに流す、言葉では表しきれない姿だ。
 暑い寒いも言えない、さすってほしいところも言えない、水が飲みたいかわからない、床ずれが痛むかもわからない。
 まったく自分の無力を痛感する。
 せめて涎を拭くとか腹部を優しくなでるとか、そのくらいのことしかできない。
 こういうときに、犬と会話できたら双方どんなに楽だろうと思う。

 実家の2頭はこれまでに怪我や病気で手術と入院をしたことが何度もあり、一時は命が危ぶまれる場面さえあった。
 しかし、今のところ、老いてはいるが歳相応に元気であり、長生きしてくれとは言えないが天寿を全うしてほしいなとは思う。
 いや、長生きしてくれ。

 彼らは、病に侵され、たとえそう長くない命だとわかっていたとしても、延命治療を続けて生きたいと願うのだろうか。
 私にはわからない。ずっとわからないだろう。
 もしかしたら治療も何もせず、痛みの緩和だけを施し、自然死させることが適切なのかもしれない。
 しかし、本人的には延命してほしいなぁ奇跡を信じたいなぁと思っているかもしれない。
  延命は人間のエゴかもしれないが、「長生きして私を悲しませないで」という考えではなく、「できるだけ長く生きさせてあげたい」という患者に寄り添った考えである場合、その行為は「赦し」になるのではないだろうか。
 お金のゆるす限り治療に投じて、それで奇跡が起こらなかった場合であっても、そのお金はドブに捨てたことにはならない。

 もしも延命せず息を引き取る瞬間を待つだけで、そして死後に延命の奇跡はあったかもしれないと思ってしまいそうな自分が怖い。

 この結論では、結局は人間のためなんじゃないか、ということになってしまうのだけれど、そうなのだから仕方がない。
 現代の犬は人間のために生産され処分され訓練され飼いならされている。
 人間のものだと言わんばかり。
 ブルドッグだって天然自然のものではない。人間によって開発された犬種だ。
 だから、人間の成すままにしていいというわけではない。
 犬にとって人間は神様だと言わんばかりの扱いをしてはならない。
 人間が作ったからと言って、許されない。
 
 なんだか締まりのない文章になってしまって、大したオチもなくて申し訳ない。
 やっぱり夜中に書くのがいけないみたいだ。
 悔しいので吠えておく。わん。



 

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